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豆知識

仏壇を買い替えるのに気をつけなければならないポイントはありますか?

2015年10月30日

かつて仏壇は、先祖代々引き継ぎ長いあいだお守りすることが通常でした。
しかし、近年では仏壇のご購入者の3割が「買い替え」の方です。

買い替えのポイントはいくつかありますが、大事なのは「祀り方・設置場所・古い仏壇の供養・新しい仏壇の開眼法要・納品までの日程確認」です。

仏壇を買い替えることはよくないのでは? と考える方がいらっしゃいますが、そんなことはありません。
人間は家が古くなったり窮屈になったり家族が減ったり増えたりしたら、新築したりリフォームしたり引っ越したりします。それと同じで仏壇は仏様とご先祖様の「お家」なのです。

大切な存在だからこそ、仏壇の大きさ関係なく、新しい「お家」に入っていただくことは、仏様とご先祖様にとっても、とてもよいことなのです。

【仏壇を買い替えるポイント…買い替え検討の時期】

人によって買い替える時期は異なってくると思いますが、「仏壇の状況」や「ご自宅・ご家族の状況」で仏壇の買い替えを検討されるのではないでしょうか。
多くの場合は以下のようなタイミングでしょう。

◯仏壇がかなり汚れている。
◯仏壇がずいぶん古くなってきた。
◯仏壇に壊れている箇所がある。
◯自宅を新築することになった。
◯自宅をリフォームすることになった。
◯自宅が引越すことになった。
◯家具の色に合わせたい。
◯実家から引き継ぐことになった(仏壇を守っていた両親などが他界した)。
◯腰や膝が悪くなったので洋間で仏壇のお参りをしたい(場所の移動に伴う仏壇のサイズ変更)。
◯身内が亡くなった。
…などです。

【仏壇の買い替えを検討する前に】

仏壇の買い替えを検討する前に、仏壇の洗浄や修繕、という方法があることも念頭に置いておいてください。
高級な仏壇(特に金仏壇など)で汚れている場合は洗浄してもらう、という方法があります。
仏壇洗浄業者に見積もりを出してもらってはいかがでしょう。

買い替えるよりお安くつくこともありますし、修繕するという方法もあります。
そもそも仏壇は30~50年に一度は洗浄するのがよいとされています。

【仏壇買い替えのポイント…祀り方や場所】

仏壇を買い替える、といっても仏具などの全てを買い替える必要はありません。
反対に全てを替えてもかまいません。

すでにお祀りしている仏壇のことや、ご自宅・ご家族の事情を考え、以下の5つのポイントに注意して、仏壇店に買い替えの相談しましょう。
1.新しい仏壇の祀り方
2.新しい仏壇の設置場所
3.古い仏壇の処分
4.新しい仏壇の開眼法要
5.納品までの日程確認
この5つが仏壇の買い替えのポイントです。


1.新しい仏壇の祀り方

祀り方というのは、宗派に沿った仏具選びや、仏壇の中身をどうするか、ということです。
宗派の確認や、現状の祀り方を確認しておきましょう。

また、今の仏壇のサイズを測っておくのがベターです。
御本尊・脇侍・位牌、その他仏具も新しく買い替えるか決めましょう。
御本尊や仏具を今のまま使う場合は必ずそれぞれのサイズを測っておきましょう。
新しい仏壇におさまらない! ということのないように。


2.新しい仏壇の設置場所

設置場所を決めましょう。
水回りが近いなど仏壇が傷むような場所ではないか? 神棚と向かい合わせにならないか? なども踏まえて決めましょう。
設置場所が決定したら、必ず設置場所の高さ・横幅・奥行きを測っておきましょう。
扉が開閉するタイプの仏壇も多いので、設置場所の周囲の状況も確認しておきましょう。


3.古い仏壇の処分

仏壇の処分をどうするか決めましょう(詳しい供養と処分の方法については別項目に記載しています)。


4.新しい仏壇の開眼法要

新しい仏壇の開眼法要を住職に依頼しておきましょう。
開眼供養、仏壇開き、入魂式、などとも言い、地域や宗派によって異なります。

仏具なども全て揃えて飾り付けた上で住職に来ていただきましょう。
もちろんお布施が発生しますのであらかじめお寺に聞いておくのも問題ありません。


5.納品までの日程確認

打ち合わせから納品までのスケジュールを確認しておきましょう。
法要までに新しい仏壇を用意しておきたい、というような場合は納品までにどのくらいかかるのか密にお店と打ち合わせしておき、余裕をもったスケジュールを組みましょう。

古い仏壇の供養や新しい仏壇の開眼法要を住職に依頼し、日程調整をしてもらわなければなりませんので、そちらもご注意ください。

また、自宅の玄関から仏壇の設置場所までの搬入経路の確認をしておきましょう。
玄関より仏壇の方が大きくて搬入できない、などのトラブルがないように気をつけてください。

【古い仏壇の供養・処分の方法】

古い仏壇は住職に供養してもらい、「お焚き上げ」をしてもらいましょう。
お焚き上げとは火で焼いて天に返すことですが、最近は防災や環境事情で野焼きするのが難しくなり、供養後は粗大ゴミなどとして業者に回収してもらうことの方が多くなりました。
個人で粗大ゴミとして回収してもらう場合は業者に依頼するか、各自治体のルールにのっとって回収してもらうことになります。

檀家となるお寺がなくても、近くのお寺に供養をお願いしてみるのが安心です。
もちろん、供養にはお布施がかかります。
新しい仏壇を購入したお店が引き取って供養と処分の両方をしてくれる場合もあります(料金がかかることがありますので、あらかじめ確認しましょう)。
供養もしていないのに処分する、というのは絶対に避けてください。

仏壇には魂が宿り、供養によって魂を抜かなければならないとされています。
回収してもらう際は、仏壇の引き出しなどに何かが入ったままになっていないか必ず確認をした上で処分してもらいましょう。

【小さい仏壇へ買い替える】

かつては小さい仏壇に買い替えることはあまりよくないこととされてきました。
仏壇を大きくしていくことが繁栄の象徴であり、よいとされていた時代があったのです。
しかし、近年では住宅事情もあいまって、買い替えの際に仏壇を小さくすることは、問題ないとされています。

都市部のマンションに引っ越すことになったり、ご両親が他界されて実家から御本尊や位牌を引き継ぐことになったりなど様々な事情が発生する際に、結果的に仏壇を小さくせざるを得ないことがあるでしょう。
大切なのは大きさではなく、毎日お参りができること、仏壇を守っていけること、故人やご先祖様を身近に感じることができること、そしてご供養ができること、なのです。

以前は仏壇を置く場所も仏間と決まっていましたが、今では家族が顔を合わせやすい場所や手を合わせやすい場所としてリビングに仏壇を置くことも多くなっています。

【最後に】

新しく買い替えた仏壇は、その後、子どもや孫へと受け継がれていくものです。
じっくりと考案し納得のいくものを購入するよう、仏壇店の方と入念に打ち合わせをして選ぶようにしましょう。
そして気持ちよく、新しい「お家」に仏様とご先祖様に住んでいただけるようにしましょう。
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